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【地方公務員の仕事】個人住民税課税担当の1年

私が最も長く携わったのが住民税の課税の仕事です。税金に関する仕事は公務員ならではです。

民間企業では、モノやサービスの対価に料金を支払います。

一方、公務員は、法令に基づいて税金を徴収します。この独特の仕事内容の一端をご紹介します。

個人住民税の課税とは

個人住民税とは

住民税は、法人と個人にかかります。

個人の住民税は、都道府県分と市区町村分にさらに分かれます。

住民税の名称は、住まいによって異なり、東京都23区の人なら「都区民税」ですし、京都にある南山城村だと「府村民税」という具合になります。一般的に住民税といいます。

この住民税は、大まかに、その人の収入の額によって増額され、たくさん家族がいるなど負担が大きい場合は減額されます。

かかった税金は、都道府県分と市区町村分をまとめて住んでいる市区町村に払い、市区町村が都道府県分を本人の代わりに都道府県に支払っています。

課税の仕事

税金にかかわる仕事を分解すると、次のようになります。

  1. 税金を払う人を決める
  2. 税額を決める
  3. 税金を払うよう案内する
  4. 税金を払えない人に払ってもらう

個人住民税の課税は、このうち1から3までを担います。

step
1
税金を払う人を決める

税金を払う人は1月1日にいた市民

step
2
税額を決める

税額は去年の収入をまとめた書類である源泉徴収票や確定申告書から算出する。

step
3
税金を払うよう案内する

税額と納期を書いた通知書を対象者の市民に送ります。大量です。

問い合わせがきます。大量です。

住民税課税担当は1年のメリハリがある

住民税の課税事業は、極端に忙しい時期とそうでない時期があり、わかりやすいです。

とにかく税金の計算して、通知する。

この目的向かって、半年をかけて突っ走るのです。年明けから6月の通知発送まで、長い戦いが繰り広げられます。

税額の計算や通知書の作成の大部分はシステム処理ですが、人が確認する作業もまだまだ多くあります。

年明けから課税対象者の確認と申告の準備

年が明けると、いよいよ始まります。

税金をかける対象者のチェックを淡々と行うことで、シーズンが始まった機運が高まります。

また、2月から3月に行われる確定申告を市の職員も会場を設けて行うので、研修や処理手順を管轄の税務署と調整します。

2月から3月は確定申告受付と申告書の内容チェック

2月から3月の1ヶ月間、所得税の確定申告会場を設け、来庁された市民の申告を受け付けます。

建前は住民税の申告会場ですが(住民税の申告ってみなさんご存知ですか?)、事実上、近所に住んでいる市民の方の確定申告の会場となっています。

市民のみなさんが持ってきた書類をもとにパソコンで確定申告書を作成し、税務署に引き渡します。

 

並行して、確定申告書の内容チェックを行います。

先程説明した、市役所で受け付けた確定申告書のほか、税務署に直接だされた申告書、自宅や税理士が電子送信した申告書がどしどし税務署に集まります。

すると、税務署の形式上のチェックを受けた申告書のデータが市役所の住民税課税担当に送信されるのです。

なぜ国の確定申告書のデータが送信されるのか。それは、書くて申告書の内容を元に住民税を計算するからです。

というのも、国の税金である所得税と、住民税はほとんど計算が同じだからです。

 

送られてきた確定申告書はいくつか誤った部分があるので、正す必要があります。

税務署からきたデータはほとんど形式的なチェックしか行われていないままの状態なので、システムでエラーチェックをかけるともりもりエラーが出ます。

このエラー是正を申告中の空き時間や、申告が終わったあとに黙々と行います。

手書きの申告書よ・・・消え去れ・・・!

4月から5月は計算結果の確認

申告期間と申告書のエラーチェックが終わると、こんどは住民税の税額の確認です。

これまた税額の計算自体はシステムにより一括で行われます。

この計算処理の際にも、「計算結果の矛盾があるかもよ」とシステムによって矛盾点が山ほど指摘されます。

その矛盾点を朝から晩までひたすら確認、確認、確認。

1年の中でこの時期が業務時間のピークです。

6月に通知発送・問い合わせ対応

5月にまとまった税額を、6月に通知書に載せて市民の方に送ります。

送ると必ず反応があります。

「去年に比べて高い」「なぜ払う必要があるのか」「安くならないのか」「計算の過程が知りたい」「自分で出した額と違う」「無駄遣いしていないのか」などなど。

窓口は税金の通知書を握りしめた高齢者で殺到しますし、電話も鳴り止みません。

丁寧に丁寧に応対します。

たくさん確認したのですが、残念ながら人が介在していることもあり、100%完璧でない場合もあります。

そういったときは、税額を修正し、新しい通知を送ります。

このほとぼりが冷めると、長い半年が終わります。

夏から秋にかけては調査

夏から秋にかけては、比較的業務時間が短くなります。

申告していない収入がほかにないか、扶養している家族には本当に収入がないかなど、正しい税額になるよう調査していきます。

並行して、法令改正や窓口応対スキル、計算スキルなどを研修で磨いていきます。

まとめ

住民税の課税の仕事の1年は、1月から6月までの忙しい時期と、7月以降の落ち着く時期に分かれます。

税金の計算から通知までの、公務員ならではの仕事は、メリハリのある1年となります。

また、デスクワークでの緻密な作業と、市民との応対が混在します。

市区町村の代表的な仕事の一つと言えるでしょう。

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